Patterns of Failure and Optimal Treatment Paradigm for Large, Inoperable, Node-Negative Non-small Cell Lung Cancer.
Schneider CS et al.
Clin Lung Cancer. 2022 May11:S1525-7304
PMID:35680550.
Abs of abs,
比較的大きくリンパ節転移のない非小細胞肺癌で手術できない患者の治療はよくわかっていない。このコホートに対する最適な治療手段を知るために、再発パターンと放射線療法(RT)および化学療法のあり方について検討した。大きさ5㎝以上、リンパ節転移がなく根治的なRTを受けた非小細胞肺癌を対象とした。照射部位再発、所属リンパ節再発か/遠隔再発か、無増悪生存期間、全生存期間を累積発症率とKaplan-Meierにより解析した。照射部位再発と所属リンパ節再発・遠隔進行については治療および臨床病理学的背景との関連を、単変量および多変量の競合リスク回帰により評価した。88人の患者を解析対象とした。再発した患者(N=36)のうち、初回再発パターンは、孤発性遠隔転移(27.8%)および孤発性所属リンパ節再発(22.2%)が最も多かった。初回再発の構成要素として遠隔または所属リンパ節再発は進行した患者の88.9%に認められ、一方、照射部位再発は11.1%と稀であった。単変量および多変量競合リスク回帰では、SBRTの実施は局所進行のリスク低下(ハザード比0.23、P=0.012)と関連し、化学療法は所属リンパ節再発/遠隔進行のリスク低下と関連することが示された(ハザード比0.12、P=0.040)。結論としては、根治的RT治療を受けた比較的大きくリンパ節転移のない非小細胞肺癌では、所属リンパ節再発および遠隔再発のリスクが高い。SBRTは局所再発のリスク低減と相関し、一方、化学療法はこの患者集団における所属リンパ節再発/遠隔再発の低下と相関している。理想的には施行可能であればSBRTと全身療法が適切である。
感想
ざっとした話ですが、大きさはかなりあるのにリンパ節転移が見られない一群がある気はしていました。たいていドライバー変異陰性、低分化なSqかNOSになってしまうものが多い印象があります。またそのような一群に対する治療を検討した研究です。このタイプは遠隔転移は少ないのかと思っていましたが、そうではないようです。治療についてはSBRTの方が局所制御は良いようですが、線量強度の問題なのか、サイズの問題なのかはわかりません。また大きな腫瘍では悪液質も多いような気がしますので、抗がん剤の使用も状態の良さを表しているだけかもしれません。このような腫瘍にギリギリまでSBRTを検討する、遠隔転移にも同様に気を付けておくことでしょうか。