多発GGOも単発と同じようにフォローできるか

Active Surveillance of Multifocal Ground-Glass Opacities: Results of a Prospective Multicenter Trial (ECTOP1021).

Wu H et al.
J Thorac Oncol. 2026 Jan;21(1):150-159.
PMID:40983284.

Abs of abs,
多発すりガラス陰影(GGOs)に対する積極的な経過観察の安全性を評価し、個別管理手法を確立することを目的に前向き多施設共同試験(ECTOP1021、NCT06097910)を行った。3個以上のGGOs(腫瘍径≤2cm、固化/腫瘍比≤0.25)を有する患者を対象とし、主要評価項目は5年生存率、副次的評価項目は病変進行とした。外科的根治可能期間を「腫瘍径2.0cm以下かつ固化/腫瘍比0.25以下」と定義し、この安全な画像所見範囲内で切除後、確実な治癒が達成可能と判断した。5施設から計406例が登録された。コホートは主に女性(75.6%)および非喫煙者(87.2%)であり、年齢中央値は53歳であった。合計1496病変が経過観察対象となり、患者1人あたり中央値で3個のGGOsを有した。主要病変の直径中央値は0.8cmであった。中央値35.4ヶ月の追跡期間において、5年生存率は100%であった。8.1%の患者で進行が認められ、1.5%に新たな病変が発生した。腫瘍径の中央値増加は0.3cmであった。登録後に手術を受けた8例は全て病理学的ステージIA1であり、4例が浸潤性腺癌、4例が微小浸潤性腺癌であった。完全切除した場合に推定される肺機能損失に基づき患者を3群に分類し、それぞれに適した戦略を適用した。多発GGOs患者において、外科的根治可能期間内に限った積極的な経過観察は実現可能で、短期的には安全と考えられる。即手術に代わる代替選択肢を提供し、個別化・シナリオに基づく合理的な個別管理法となり得る。

感想
これまでは単発もしくはそれに近いGGOの管理について議論されてきました。 日本CT検診学会のガイドラインでは薄切りCT上、最大径が15mm以上のすりガラス型結節は、3ヶ⽉後の薄切りCTにて不変(ないし増大)の場合は確定診断を推奨。15mm未満の場合は、3, 12, 24, 36, 48, 60ヵ月後まで経過観察を行い2mm以上の増大あるいは吸収値上昇の場合、確定診断推奨となっています。しかし日常臨床では左右にまたがる多発GGOも珍しくなく、肺機能的にすべて切除は無理な場合も多いです。そのような3個以上の多発GGOのフォローアップ方針は明確ではありません。
今回の画像フォローは薄切りCTを用いて年1回、最長10年間されました。進行とはサイズまたは固体成分の1.5mm以上の増加、またはpure-GGOにおけるsolid成分の出現と定義されておりほぼ日本のガイドラインと同じと言えます。つまり今回やったことは、単発GGOのガイドラインを多発に応用した場合問題があるか?という疑問に言い換えられます。結論からすると、経過中に死亡はなく、進行も8%あまりあったが、外科切除された患者は病理学的stageIA1でありこの方法も選択肢になりえる、ということでした。さらに多発GGOを切除した場合、肺活量損失がそれに耐えられるかどうかによっても区分けしています。しかしこの区分けは症例数が少なすぎ意思決定に及ぼす影響や結果について情報源とはなりません。
今回の結果は偶発的に多発GGOが見つかった人たちにとっては朗報です。しかしもう少し長期に見ないとわからないのと残存肺機能以外に年齢、仕事など社会的背景によってもフォロー処置方針を変えていく必要があるように思います。