Lung Cancer Surveillance After Definitive Curative-Intent Therapy: ASCO Guideline.
Schneider BJ
J Clin Oncol. 2020 Mar 1;38(7):753-766.
PMID:31829901
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ステージⅠ-Ⅲの肺癌において根治的治療を終えた患者の画像およびバイオマーカーサーベイランスについてエビデンスベースの推奨を出すために本稿を提出した。ASCOは腫瘍内科医、胸部外科医などからなるエキスパート会議を招集し、文献収集などの情報を2000-2019分について行った。焦点を当てたのは生存期間、無再発生存期間、QOLであり、これらを元に推奨を決定した。文献検索では14の関連研究が該当しガイドラインに反映させた。患者は最初の2年は6ヶ月ごとの画像サーベイランスを行い、それ以降は年一回とする。これは新たな原発性肺癌の発見を意図するものである。サーベイランス方法として胸部CTが適切な手段である。PDG-PET/CTはサーベイランスとして使用すべきでない。もし患者が治療に向かない、あるいは希望していないのであればサーベイランスはしないこともあり得る。年齢でサーベイランスを決定しない。再発の発見を目的としたバイオマーカー検査はすべきでない。また頭部MRI検査はステージⅠ-Ⅲの非小細胞肺癌の定期検査としてすべきではないが、根治的治療のなされた小細胞肺癌において初年に3か月毎、2年目に6か月毎の検査は使用され得る。
感想
これまで手術あるいは化学放射線療法といった根治術をした患者に対して、フォローアップは主治医に任されてきました。いくつかの研究がありますが、密に検査しても生命予後の改善は無い/わずかであり、コンセンサスは得られていません。その中で今回のASCOガイドラインは非常に実践的であり参考にすべきところと思います。特に「胸部CTは副腎まで含めるが、そこから下はエビデンスがない」などと言った割り切り方はいかにもといった感じです。ただし再発を早く発見し安心させることが目的ではなく、あくまでもアウトカムの改善を伴う推奨であることに注意してください。
以下要点を引用します。
ガイドラインクエスチョン
1.サーベイランス画像の頻度は?
2.最適な検査法は?
3.PSや年齢はサーベイランス除外になることがあるか?
4.サーベイランスにおける循環バイオマーカーの役割は?
5.非小細胞癌と小細胞癌における頭部MRIのサーベイランスの役割は?
推奨
治療後6ヵ月毎2年間、サーベイランス画像を受ける必要がある。
その後は新しい原発性肺癌の検出のためにサーベイランス画像を年一回受ける必要がある。
治療後の最初の2年間にサーベイランス画像をとる場合、副腎を入れた「診断用」胸部CTを使用する。
再発検索目的の画像として腹部および骨盤CTの追加利益の根拠はない。
治療後2年経過した後に、原発性肺癌の検出のためにサーベイランスを行う場合「低線量スクリーニング用」CTを使用する必要がある。
FDG-PETはサーベイランスツールとして使用しないこと。
臨床的に不適切または受けたくない患者の場合、画像サーベイランスをしないこともある。年齢で除外すべきではない。全体的な健康状態、慢性疾患、患者希望を考慮する。
ステージⅠ-Ⅲの肺癌で根治治療を受けた患者において、再発を検出するためのサーベイランスとして循環バイオマーカーを使用すべきでない。
根治治療を受けた非小細胞肺癌Ⅰ-Ⅲ期の場合、再発に対する定期的なサーベイランスとして頭部MRIを使用すべきではない。
根治治療を受けた小細胞肺癌Ⅰ-Ⅲ期の場合、予防的全脳照射を受けなかった患者では、1年目3ヶ月毎、2年目は6ヶ月毎に頭部MRIをすべきである。
頭部MRIは、2年間無再発生存した後の無症候性の患者に定期にすべきではない。