Survival with Osimertinib plus Chemotherapy in EGFR-Mutated Advanced NSCLC.
Jänne PA et al.
N Engl J Med. 2025 Oct 17. Epub ahead of print.
PMID:41104938.
Abs of abs,
FLAURA2試験の主解析では、EGFR遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺癌において、初回治療としてのオシメルチニブ単剤療法と比較し、オシメルチニブ+白金薬剤+ペメトレキセド併用化学療法が無増悪生存期間を有意に延長することが示された。今回は事前計画された全生存期間の最終解析結果を報告する。本第3相国際共同非盲検試験では、前治療歴のないEGFR遺伝子変異(エクソン19欠失またはL858R変異)陽性進行非小細胞肺癌を1:1の比率で無作為に割り付け、オシメルチニブ(80mg/日)+ペメトレキセド (500mg/m2)および白金製剤(シスプラチン[75mg/m2]またはカルボプラチン)による化学療法、あるいはオシメルチニブ単剤療法(80mg/日)のいずれかを投与した。主要副次評価項目は全生存期間であった。計557名の患者が、オシメルチニブ+プラチナ製剤・ペメトレキセド併用群(279名)またはオシメルチニブ単剤療法群(278名)に無作為に割り付けられた。全生存期間の中央値は、オシメルチニブ+プラチナ製剤+ペメトレキセド群で47.5ヶ月、オシメルチニブ単剤療法群で37.6ヶ月であった(死亡ハザード比0.77、[0.61-0.96]、P=0.02)。全原因によるグレード3以上の有害事象は、オシメルチニブ+プラチナ製剤+ペメトレキセド群の70%、オシメルチニブ単剤群の34%で報告された。オシメルチニブの中止に至った有害事象は、それぞれ12%と7%で報告された。EGFR遺伝子変異陽性進行非小細胞肺癌において、オシメルチニブ+プラチナ製剤+ペメトレキセドによる初回治療は、オシメルチニブ単剤療法と比較して有意に全生存期間を延長したが、可逆的なグレード3以上の有害事象のリスク増加を伴っていた。
感想
FLAURA2の全生存結果です。現段階でよく使われているオシメルチニブを対照群においた重要度の高い臨床試験です。TKIに加えて化学療法を併用した方がPFS、縮小効果が高いのは当然としても、毒性も許容範囲内かつOSも延長とのことで申し分ない結果となっています。強力なライバルとしてアミバンタマブ+ラザルチニブとの使い分けが議論されています。実地データの蓄積が必要ですが、一つの視点として変異部位別のPFS、OSハザード比を比べて表にしてみました。おそらくはL858Rの方が殺細胞性抗がん剤の役割が大きくFLAURA2に優位性があるように思います。逆に19DelについてはTKI依存性が高く、分子標的治療主体の組み合わせに優位性があるように見えます。ただ毒性も違うのでベストの治療はこれだけでは判断しにくいかも知れません。現時点ではMARIPOSAのL858Rが見劣りしますが、確定的とも言えないため毒性、通院頻度など抗腫瘍効果以外のところで判断せざるを得ないでしょう。私は最終的には変異部位別の治療をすべきと思っていますが、それは19Del/L858Rだけではなく、さらにTP53やMETなど強く影響を与える変異についての情報も組み合わせた上でと考えています。