Impact of Maintenance Pemetrexed Cessation on Clinical Outcomes of Patients With Metastatic Nonsquamous NSCLC
Shreya Bhatia, BS et al
JTO Clin Res Rep. 2024 Nov;5(11):100717.
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ペメトレキセドとPD-(L)1阻害薬を含む治療の併用は、初回標準治療である。 患者は副作用のためにペメトレキセドの維持療法を中止することが多く、この維持療法中止が実臨床での無増悪生存期間および全生存期間に及ぼす影響についてはほとんど知られていない。 2017年7月~2023年9月に診断されたIV期・再発転移性非扁平上皮非小細胞肺癌患者で、ペメトレキセドおよびペムブロリズマブの維持療法を受けた121例を今回の後ろ向き解析の対象とした。患者は、毒性によりペメトレキセドを中止した群と中止しなかった群の2群に分けられた。PFSおよびOSはⅣ期あるいは再発診断された時点から、画像上の進行または死亡日までとした。IV期または再発患者(n=121)のうち、ペメトレキセドおよびペムブロリズマブの維持療法を継続した患者(n=68)では、PFS中央値は11.7カ月[7.47-NA]であったのに対し、ペメトレキセドの維持療法を中止した患者(n=53)では24.3カ月[19.37-NA]であった(p=0.1)。 OS中央値は、それぞれ25.8カ月[13.8-NA]であったのに対し、36.4カ月[26.9-NA]であった(p=0.15)。 本試験において、ペメトレキセドおよびペムブロリズマブの維持療法を受けた患者において、毒性によりペメトレキセドを中止した患者と、ペメトレキセドを継続した患者とでは同様の転帰であった。 免疫療法の時代において、維持化学療法の至適期間はさらに評価される必要性がある。
感想
実臨床に即したデータです。ペメトレキセドは継続により貧血、腎機能障害などで中止せざるを得ないことは頻繁に経験します。今回も中止理由は34%が倦怠感、15%が腎機能障害で複合的な原因が19%でした。いろいろなバイアスがかかっているので、背景を意識せずに結果を眺めます。まずPFS、OSとも明らかにペメトレキセド継続の方が下を行っています。P>0.05を持って「差がない」と結論するのは典型的な統計の誤用ですが、そこも目をつむります。再発を除いたⅣ期のみのデータでも傾向は変わりません。両群ともペメトレキセドの投与期間の中央値は4か月でした。これは生存の差(あるいは差がないこと)が、毒性の差だけに原因を求めてよいのかどうか判断に迷うところです。またペメトレキセドの毒性中止を決断する際に、病勢が安定している方が決断しやすいです。このようなバイアスも多分にあるでしょう。しかし今回の結果は、おそらくペメトレキセドがある程度入っていれば、毒性中止しても極端に生存が変わることはないだろうと信じる良い根拠となります。
*肺癌学会行きましたか?会場遠かったですよね。後で知ったのですが、従来のパシフィコ横浜と違って桜木町駅から歩くのは最適解ではないようです・・・。