Chemoradiation ± Atezolizumab in Limited-Stage Small Cell Lung Cancer: Results of NRG Oncology/Alliance LU005.
Higgins KA
J Clin Oncol. 2026 Mar 10;44(8):630-640.
PMID:41529214
Abs of abs,
NRG Oncology/Alliance LU005試験は、非盲検第Ⅲ相国際共同試験であり、化学放射線療法へのアテゾリズマブの追加効果を検証している。限局型小細胞肺癌患者(病期Tx-IV、N0-3、M0、PS0-2)患者を対象とし、試験登録前に1サイクルの化学療法(プラチナ製剤/エトポシド)を実施した後、CRT単独群と、CRTに加え、アテゾリズマブ1200mgを3週間毎に、進行または認容できない副作用が出るまで投与する群に無作為に割り付けた。アテゾリズマブは、最大17サイクル¥である。層別化因子は化学療法薬(シスプラチン対カルボプラチン)、放射線分割照射スケジュール(1日1回66Gy対1日2回45 Gy)、性別、およびPS(0/1対2)である。主要評価項目は全生存期間であった。副次評価項目として主治医評価の無増悪生存期間、奏効率、局所制御率、遠隔転移無再発生存期間(DMFS)が含まれた。患者は2019年5月から2023年12月にかけて無作為に割り付けられた。OSの中央値は、CRT単独群で36.1ヶ月[28.1-42.5]、CRT+アテゾリズマブ群で31.1ヶ月[28.5-44.7]であった(ハザード比1.03 [0.80-1.32])。無増悪生存期間(PFS)の中央値は、CRT単独群で11.4ヶ月(10.3-13.2)、CRT+アテゾリズマブ群で12.1ヶ月[10.9-15.2であった(ハザード比0.98 [0.79-1.22])。DMFSの中央値は、CRT単独群で13.0ヶ月[11.3-18.2]、CRT+アテゾリズマブ群で16.8ヶ月[12.1-21.6]であった (ハザード比0.96[0.76-1.21])であった。アテゾリズマブ併用による予期せぬ安全性上のシグナルは認められなかった。化学放射線療法へのアテゾリズマブの併用および補助療法は、限局型小細胞肺癌の生存を改善しなかった。
感想
Small/non-small問わず、化学放射線治療後に免疫療法を入れると予後が改善します。しかし化学放射線治療中に免疫療法を開始することはあまり良い結果を生みません。非小細胞肺癌ではPACIFICとPACIFIC—2[Bradley JD JCO2025 PMID:41082707]との対比、小細胞肺癌ではADRIARIC[Cheng Y NEJM2024 PMID:39268857]と本試験の対比となります。本試験と比べADRIARICでは、CRTで奏効例を入れていますのでよりよい集団と言えますが、対照群も同じ条件ですからハザード比が少し低くなって欲しいところです。しかしPFSが0.98、OSでも1.03と全く介入効果が見られません。化学放射線治療中は全く効果がなかったとしても、治療後の地固めの段階で差があれば少し開くはずです。しかしそれも打ち消されているとしたらもはや、放射線治療中のICIは害とすら言えます。あまり見せたくなかったのか、サブグループ解析が補遺に回されています。残念なことにほとんどのグループでCRT only betterに寄っており散々な結果です。PACIFIC—2と同じで原因はよくわかりませんが、事象として繰り返し観察されたのは重く受け止めるべきことと考えています。発展的に考えれば、「局所の放射線治療により免疫療法への反応が変化しうる」という証拠も得たわけで、本来免疫療法に反応しないはずのものも反応するように変えられるヒントもあるのかも知れません。