Sacituzumab tirumotecan plus pembrolizumab versus pembrolizumab in PD-L1-positive advanced non-small-cell lung cancer (OptiTROP-Lung05): interim analysis of a randomised, open-label, phase 3 trial.
Xiong A et al.
Lancet.2026 May 29: Epub ahead of print.
PMID:42214392.
Abs of abs,
TROP—2を標的とする抗体薬物複合体であるサシツズマブ・チルモテカン(sac-TMT)は、PD-1/PD-L1阻害剤との併用で、早期試験において非小細胞肺癌の初回治療として有望な抗腫瘍活性を示している。今回は標的治療のあるドライバー変異のないPD-L1陽性の進行非小細胞肺癌に対する初回治療として、sac-TMTとペムブロリズマブの併用療法の有効性と安全性を評価した。中国の68の病院で実施されたこの無作為化、非盲検、第3相試験(OptiTROP-Lung05)として行われた。患者は、6週間毎にsac-TMT(1、15、29日目に4mg/kg)とペムブロリズマブ(1日目に400mgの固定用量)の併用群、またはペムブロリズマブ単独群に1:1の比率で無作為に割り付けられた。主要評価項目は、ITT集団において独立判定された無増悪生存期間であった。2024年6月7日から2025年3月27日までの間に、741名の患者がスクリーニングを受け、適格と判断された413名の患者が、sac-TMTとペムブロリズマブの併用群(n=208)またはペムブロリズマブ単独群(n=205)に無作為に割り付けられた。追跡期間中央値10.5ヶ月(8.7-12.5)後に実施された事前の計画に基づく中間解析において、無増悪生存期間の中央値は、ペムブロリズマブ単独群と比較して、sac-TMT+ペムブロリズマブ群で有意に延長(未達対5.7ヶ月;ハザード比 0.35 [0.26-0.47]; p<0.0001)。無増悪生存期間の有益性は、PD-L1 TPSが1-49%の患者(ハザード比0.28 [0.19-0.41])やPD-L1 TPSが50%以上の患者(ハザード比0.47 [0.29-0.77])を含むサブグループ間で概ね一貫していた。グレード3以上の治療関連有害事象は、sac-TMT+ペムブロリズマブ群の208例中115例(55%)、ペムブロリズマブ群の204例中64例(31%)に見られた。標的治療のないPD-L1陽性の進行性非小細胞癌において、sac-TMTとペムブロリズマブの併用による初回治療は、ペムブロリズマブ単独療法と比較して無増悪生存期間を有意に延長した。したがって、sac-TMTとペムブロリズマブの併用療法は、このような患者の初回治療のあり方を再定義する可能性がある。
感想
TROP-2は最近注目の表面抗原です。ほとんどの非小細胞肺癌に出ているとされますが、それでも発現には差があります。sac-TMTはTROP-2を標的にしたADCで、最近多くの薬剤が試され競合の激しい分野です。先に単剤でのEGFR-TKI後の投与でPFS12.3ヵ月と良好な結果が報告されています[Fang W NEJM2025 PMID:41124220]。ドライバー変異のないものについては、先にICIとの併用でP2が行われ[Hong S NatMed2025 PMID:40830660]、PFS15.4ヵ月と有望な結果でした。TROP-2発現は免疫療法抵抗性と関連するが、抗がん剤とは関連しないという報告もあります[Bessede A ClinCansRes2024 PMID:38048058]。そうでなくともTPS=1-49%においてICI単剤ではどうしても弱いので、そこに抗がん剤を上乗せしたいのと、TROP2低発現でもICI単独では弱いため改善したいところです。今回TPS低発現についてはハザード比0.28と素晴らしい結果で、TPS>=50%でもハザード比0.47とこれも良い結果です。サブ解析になりますが、TROP2高発現、低発現にかかわらずsac-TMT上乗せにより、PFSは大きく改善されます。補遺のFigS5Cが非常に重要であり、ぜひ見てください。有害事象としては貧血、好中球減少、食欲不振、胃炎といった古典的な化学療法による副作用が多いため楽という印象ではないです。さらに実際に初回治療に使われるためにはまだ越えねばならぬハードルがあります。今回は第Ⅲ相試験ですが、いわゆるKEYNOTE-189や407と比べて(特にTROP-2高発現)で利益があるかどうかをきちんと確認する必要があります。またTPS>=50%以上でTROP2発現により治療を分けるべきかどうかももう少し詰める必要があると思います。