Risk stratification in stage I invasive non-mucinous lung adenocarcinoma based on high-risk histopathologic features.
Wang K et al.
Lung Cancer. 2026 May;215:
PMID:41905246.
Abs of abs,
高リスク病理所見(HRHF)は、I期肺腺癌の悪性マーカーとして認識されているが、それらを術後のリスク評価に簡単に組み込む方法はない。今回は4つの事前に指定されたHRHFに基づく病理学的リスクスコアを開発し、検証することを目的とした。病理病期Ⅰ期の侵襲性非粘液性肺腺癌患者で、R0切除術を受けた連続症例(訓練コホート、n=373)と2つの外部病院(検証コホート、n=257)の患者を後ろ向き解析した。IASLCグレード3、気腔内散布像(STAS)、臓側胸膜浸潤(VPI)、リンパ管浸潤(LVI)の4項目を、多変量Cox回帰モデルに組み込んで、無病生存率を分析した。回帰係数をポイント換算し、HRHFスコア(Grade 3:2点、STAS・VPI・LVI各1点;合計0-5点)に変換したうえで、低リスク(0点)、中リスク(1-2点)、高リスク(3点以上)の3群に分類した。識別能は訓練コホートおよび統合外部コホートで評価した。全4つのHRHFは、DFSと負の相関を示し、多変量モデルに残った。病理学的因子のみを用いた予測モデルは、訓練集団で0.75、検証集団で0.73の5年時間依存性AUCを示した。3群に分類したHRHFスコアはこの識別能の大部分を保持し、各層間で5年DFSを明確に分離した(訓練:低リスク98.6%-中リスク90.9%-高リスク79.3%;検証:96.5%-91.8%-71.7%)。日常病理報告で記載される4つのHRHFsを組み合わせることで、病理学的Stage I非粘液性浸潤性LUADにおけるDFSリスクを層別化できる簡便なスコアが構築された。本スコアは、より一貫したリスクに応じたフォローアップや術後補助療法に関する議論の支援に役立つ可能性がある。
感想
病理所見からの予後推定は昔から行われてきました。Lepedicは予後良好、micropapillaryは予後不良などさまざまな提案がなされてきました。手術検体として全体は俯瞰できるもののの、顔つきが違う部位が混ざっており、一つに決まらないことが多く、一番優勢な部分で評価するのもまた問題がありました。IASLCグレード分類はそれらを折衷し、優勢パターンと高悪性度を示すパターンの割合を組み合わせて3分類し判定を行っています。これだけでもある程度の精度が確認されています。一方腫瘍の形態以外に、脈管侵襲や胸膜浸潤も予後不良因子として認識されてきました。これらを総合してスコア化したのが今回の研究です。取り上げたのはIASLCグレード3、気腔内散布像(STAS)、臓側胸膜浸潤(VPI)、リンパ管浸潤(LVI)の4項目です。IASLCグレード3とは簡単に言うと低分化、高悪性度パターンが20%以上を占める腫瘍です。多変量解析では4つの因子はそれぞれ独立しており、ハザード比がSTAS、VPI、LVIがそれぞれ2前後、IASLCのみ3を越えており、前3者を1点、IASLCのみ2点としてスコア化をしました。0-2点は5年DFSが9割を越えますが、3点を超えると5年DFSは8割を切ってきます。これだけであれば暗記出来ますので臨床的な実用性は高いと思います。