アミバンタマブ+ラゼルチニブの効果は持ち越すのか

Long-Term Impact of First-Line Amivantamab Plus Lazertinib Versus Osimertinib on Mechanisms of Acquired Resistance in MARIPOSA: A Brief Report

Hayashi H et al.
J Thorac Oncol.2026 Sep;21(9)
PMID:42061572.

Abs of abs,
アミバンタマブとラゼルチニブの併用療法は、EGFR遺伝子変異陽性の進行性非小細胞肺癌の初回治療として承認されている。MARIPOSA試験において、アミバンタマブ・ラゼルチニブはオシメルチニブと比較して全生存期間を有意に改善した。今回はMARIPOSA試験における耐性獲得と、それが2次治療における無増悪生存期間に及ぼす影響を評価した。MARIPOSA試験(NCT04487080)では、未治療のEGFR遺伝子変異陽性進行性非小細胞肺癌に、アミバンタマブ・ラゼルチニブとオシメルチニブを比較評価した。獲得耐性は、ベースライン時と治療終了時の血漿検体のペアから採取した循環腫瘍DNA(ctDNA)に対し、Guardant360次世代シーケンシングを用いて評価した。既知の耐性機序は、EGFRまたはMET依存性(例:C797S、MET増幅)およびEGFRまたはMET非依存性(例:PIK3CA、RASまたはRAF、細胞周期、TP53またはRB1の機能喪失)の耐性が含まれた。これらの検出可能な変異が認められない場合は、「不明」の耐性とみなされた。2次治療の無増悪生存期間は、最初の追加療法開始から、主治医が評価した2回目の疾患進行または死亡までの期間と定義された。MET増幅(3.4%対13.1%;p=0.002)および二次性EGFR変異(1.4%対7.6%; p=0.01)は、オシメルチニブ群と比較してアミバンタマブ・ラゼルチニブ群で有意に減少しており、他の既知の耐性経路における有意な増加は認められなかった。アミバンタマブによる治療期間が長いほど、METおよびEGFR変異獲得耐性の頻度が低かった。2次治療におけるPFSの中央値は、オシメルチニブ群と比較してアミバンタマブ・ラゼルチニブ群で大幅に延長した(8.4ヶ月対5.3ヶ月; ハザード比0.72;p=0.02)。治療終了時に未知の耐性を有していた被験者は、既知の耐性を有していた被験者と比較して、2次治療におけるPFS中央値が長かった(7.4ヶ月対4.6ヶ月;ハザード比0.63;p=0.01)。アミバンタマブ・ラゼルチニブは、オシメルチニブと比較して一般的な耐性メカニズム(例:EGFRまたはMET)を減少させる。これは、このレジメンがEGFR遺伝子変異の根底にある生物学的メカニズムを変化させ、初回、2次治療の両方における長期有効に寄与していることを示唆する。

感想
以前の記事の答え合わせになります。この記事で「初回PFSとOSのハザード比がほとんど同じ」点が少し引っかかるとし、「アミラゼの効果が免疫チェック阻害薬のように持ち越されているとも考えられます」と書きました。初回治療の影響が2次治療に及んでいるとすれば、2次治療でのPFSが開いているはずです。それが今回明確に書かれていました。驚くべきことに、というか予想通り2次治療のPFSハザード比は0.72と、初回治療のハザード比0.70とほとんど同じで維持されていました。補遺表2の2次治療内容を見ると、アミラゼ群で標準的とも言えるプラチナベース化学療法の割合がむしろ低く、レジメン選択の差とも思えません。EGFR/MET依存性の耐性はアミラゼ群において出にくく、オシメルチニブの方が出ていました。またオシメルチニブ群では、MET増幅は12か月以内に中止した例でよく見られました。EGFRだけをいくらブロックしてもすぐMETの脇道が発達し早期耐性化するのはわかりやすい機序です。そのほかアミラゼでHER2増幅が多そう(8.8%)といったいくつか今後に繋がりそうな示唆が得られています。
初回治療で主たる経路に加えて主な耐性機序を両方ともしっかりと抑えることが、その後の治療の効果にもかかわってくるということがわかった重要な事後解析と考えます。