Outcomes of Platinum Plus Pemetrexed and Treatment Patterns Following First-Line Nivolumab and Ipilimumab in Pleural Mesothelioma: Real-World Results From the German MesoNet Study.
Shah R et al.
Clin Lung Cancer. 2026 Jul;27(6):68-74.
PMID:42372417.
Abs of abs,
悪性胸膜中皮腫における二次治療として承認されている治療法はない。ニボルマブ/イピリムマブの承認以来、ほとんどのガイドラインでは、その後の治療としてプラチナ製剤/ペメトレキセドを推奨している。しかし、この治療順序を裏付けるデータは主に一次治療設定で観察された有効性に基づいており、一次治療としてニボルマブ/イピリムマブを投与した後のプラチナ製剤/ペメトレキセドの使用に関するエビデンスは依然として乏しい。今回の後ろ向き多施設共同研究では、ドイツ全土の12のがんセンターで構成されるMesoNetコホートから、二次治療を受けた57例を対象とした。主要目的は、ニボルマブ/イピリムマブ治療後に二次治療としてプラチナ製剤/ペメトレキセドを投与された患者の転帰を評価することであった。副次目的は、その後の治療パターンを調査することであった。ニボルマブ/イピリムマブによる初回治療を受けた135名の患者のうち、57名(42%)が2次治療を受け、そのうち41名(72%)がプラチナ製剤/ペメトレキセド療法を受けていた。2次治療としてプラチナ製剤/ペメトレキセドを投与された患者のOS中央値およびPFS中央値は、それぞれ11.5ヶ月[8.6-13.8]および5.8ヶ月[4.1-7]であった。病勢制御率は72%であり、28%がPRであった。サブタイプ別解析では、非上皮様組織型の方が上皮様組織型に比べてOS中央値が良好である傾向が示された(13ヶ月対9.5ヶ月)。3次治療を受けたのは22例(第1ラインコホートの16%)のみであった。初回治療のニボルマブ/イピリムマブに続く、2次治療としてのプラチナ製剤/ペメトレキセドのOSは2次治療開始から11.5ヵ月あり、意味のある有効性を示した。この状況でのプラチナ製剤/ペメトレキセドが有効な2次治療の選択肢であることを支持する。しかし、治療離脱率の高さは、慎重な患者選定と2次治療の早期開始の重要性を強調している。
感想
CheckMate-723[Baas P Lancet2021 PMID:33485464]は進行悪性胸膜中皮腫に対してニボルマブ/イピリムマブ vs プラチナ/ペメトレキセドを比較した試験でハザード比0.74で有意に生命予後を延長した試験です。免疫療法特有の有害事象もありまだまだCDDP+PEMを先に使う人も多いのが現状です。今回はこれらを逐次で使った場合にどうなっているのかを研究したものです。プラチナ製剤/ペメトレキセドの場合、OSとPFSはそれぞれ11.5ヵ月、5.8ヵ月であり。維持ペメトレキセド維持療法はOSを改善しませんでした(11.6ヵ月対10ヵ月、ハザード比0.65。P=0.37)。組織型では非上皮型でOS13ヵ月であったのに対し、上皮型では9.5ヵ月で少し変わった結果です。生存曲線を見ればわかりますが、かなり症例数が少ないため信頼性は高くありません。日本からも同様の報告[Ono S LungCancer2025 PMID:40819510]がすでになされており、OS17.1ヵ月、PFS5.7ヵ月とよく似た結果でしたが、こちらは上皮型の方が予後良好でした。PSが悪い人が多い実臨床上はこのシークエンスと、肺癌でも使い慣れているプラチナ+ペメトレキセド+ペムブロリズマブ[Chu Q Lancet2023 PMID:37931632]とどのように使い分けを考えていくかだと思います。肺癌診療ガイドラインではニボルマブ/イピリムマブの方が推奨度は高くなっています。ただし肺癌以上にPSは重要で、ガイドラインでこのレジメンをPS2の方まで多少拡張して考えています。しかしここから悪くなると薬物療法に対する考え方は急にしぼんでしまい「PS3-4に対し薬物療法を行わないように強く推奨する」となっています。