ALTA-2:アレクチニブ後のブリグチニブ

Efficacy of Brigatinib in Patients With Advanced ALK-Positive NSCLC Who Progressed on Alectinib or Ceritinib: ALK in Lung Cancer Trial of brigAtinib-2 (ALTA-2).

Ou SI et al.
J Thorac Oncol. 2022 Dec;17(12):1404-1414.
PMID:36096442.

abs of abs.
ブリグチニブは、未治療またはクリゾチニブ抵抗性の進行ALK陽性肺癌に承認された次世代ALK-TKIである。今回は他の次世代ALK-TKI治療後の、ブリグチニブを評価した。単群、第2相として行い、アレクチニブまたはセリチニブで病状進行がみられた患者に、ブリグチニブ180mg/日(7日間90mgで導入期間を置く)投与した。主要評価項目は独立評価による奏功率とした。循環腫瘍DNA(ctDNA)も解析した。103例中(フォローアップ期間中央値10.8ヶ月 [0.5-17.7] )、奏効率は26.2%[18.0-35.8]、奏効期間中央値6.3カ月[5.6-NR]、PFSは中央値は3.8カ月[1.8-3.7]であるが、ベースラインでctDNAが同定できるもの(n=64)は1.9ヶ月であった。アレクチニブで進行した86人での奏効率は29.1%[19.8-39.9]、PFSは3.8カ月[1.9-5.4]であった。ベースラインctDNAの耐性化変異は33.3%(78人中26人)に存在し、その54%(26人中14人)がG1202Rであり、検出可能なALK融合を有する患者の52%(64人中33人)はEML4-ALK variant3であった。よく見られた有害事象は、CK増加(32%)、下痢(27%)であった。ブリグチニブ(180 mg 1日1回投与)の治療強度は85.9%であった。本研究から、セリチニブまたはアレクチニブ治療後のブリグチニブの活性が限定的であると判明した。 ベースラインで血漿中にALK融合変異が検出されない患者での、PFSは長いようであった。

Abs of abs.
日本でもブリグチニブは認可されており、7日間90㎎の導入期間を置くことになっています。この臨床試験では240㎎までの増量が認められていたようですが、国内では180㎎までです。この導入期間を置く意味は肺臓炎の発生頻度を抑えるためです。さてこの試験での帰無仮説は奏効率20%にしています。研究者が20%を下回るようだとあまり意味はないと考えていたことになります。結果は26.2%[18.0-35.8]となり20%を切る可能性があり「効果は限定的」という結論になります。過去に同様のコンセプトで行われたJ-ALTA試験[Nishio M JTO2021 PMID:33248320]ではアレクチニブ耐性での奏効率は34%で、若干日本人の方がブリグチニブの効果が高そうに見えます。考察ではこの点について海外でのアレクチニブ用量が600㎎で日本の倍であることに原因を求めています。さらに脳転移への奏効率は15%とあまり高いとは言えませんでした。ALK陽性についてはアレクチニブを初回治療で使う先生がほとんどと思います。関心はその後治療でのTKI選択にありますが、ALTA-2、J-ALTAともブリグチニブで少なくとも2/3の症例でなんらかの縮小効果が見られました。このようにロラチニブ、ブリグチニブとも「悪くはない」といったところですが、中枢神経系にには思ったほど効かないため、過剰な期待は持たず、サイバーナイフなどの準備をしておいた方が良いように思います。