SBRT vs. 手術は手術可能性についての議論が不足している

Sins of omission: A meta-research study evaluating the omission of operability in published retrospective comparisons of surgery with stereotactic body radiotherapy in patients with early-stage non-small cell lung cancer.

Lorenz J et al.
Lung Cancer. 2022 Nov 19;175:57-59.
PMID:36455397.

Abs of abs.
若い病期の非小細胞肺癌に対する定位放射線治療(SBRT)を受ける患者は、手術可能であれば切除を優先するガイドラインの勧めがあり、一般には手術不能である。このような割り付けの違いは、手術の可能性があるかどうかで混乱し手術とSBRTの後ろ向き比較を難しくしている。若い病期の肺癌に対し、手術とSBRTの生存期間を後ろ向き比較した論文を検索した。各論文を以下の2つに分けた:(1)治療割り付けが患者の手術可能性の決定に基づいているかどうか、(2)手術可能なSBRT患者と手術治療した患者の生存比較が含まれているかどうか。関心のある変数の関連は、p<0.10を有意とした。3072個の報告のうち、61個の解析がスクリーニング基準を満たしていた。21個(34%)が、治療割り付けに影響しうる手術可能性を報告していた。これらの論文は、外科中心の雑誌(52% vs 20%)、インパクトファクター5未満(81% vs 58%)、施設データベースからのコホート(81% vs 55%)が多い傾向にあり、また放射線腫瘍医が筆頭(43% vs 25%)、上位著者(43% vs 28%)として出版される傾向が強かった。7個(11 %)の論文で、SBRTと手術の生存を直接比較がなされていた。肺癌に対する手術とSBRTの生存を比較した査読付き後ろ向き研究論文のうち2/3で、手術可能性に関する情報を欠いていた。90%は手術可能なSBRT患者と手術を受けた患者の間の直接的な比較がなされていなかった。

感想
何年もされてきたSBRT vs OPの議論です。背景が違うものを比較して結論を出そうと無数のデータが報告されています。今回はどんな雑誌に、IFは、筆頭著者はという珍しい視点で解析されています。SBRTの方が新しい治療なので、どうしてもその方向から、つまり放射線腫瘍医が主導で研究を進めることが多く、また金太郎飴的な研究になることが多いため、IF低めの雑誌しか載らないことが伺われます。OSの直接比較はバイアスの塊ですが、傾向スコアを使ってもバイアスが完全に取り除けるわけではありません。ではランダム化試験の結果が出れば結論が出るのでしょうか?私は混迷が深まるだけと思います。仮にSBRTがOSで勝ったとします。縮小手術ではどうだろうかという話になります。OPが勝ったとしても、どんな高齢者でもそうなのかという話になります。結局使い分けという話から進まないように思います。肺癌も明らかに高齢化しています。実地臨床からみるとSBRTの方が明らかにQOLが良く成績も極端に悪いようには思わないので、治療を希望する超高齢者に勧めています。