関節リウマチ+喫煙で肺癌発症リスク激増

Rheumatoid Arthritis and Risk of Lung Cancer: A Nationwide Cohort Study.

Cho MH et al.
J Thorac Oncol. 2024 Feb;19(2):216-226.
PMID:37838085.

Abs of abs.
関節リウマチに関連した肺癌リスクへの関心が高まっている。今回はRAの活動状況や喫煙状況など主要な交絡因子を考慮したRAと肺癌リスクの関連を調査した。韓国の全国データベースを用いて、2010年から2017年の間に新たにRAと診断された患者51899人を同定し、259495人の非RA集団を1;5で性と年齢をマッチさせた。肺癌とRAとの関連をCox回帰分析を用いて調べた。喫煙、性、年齢、間質性肺疾患による層別化解析も、同じCoxモデリングを用いて行った。4年半の追跡期間中、RA患者における肺癌の調整ハザード比は1.49[1.34-1.66]であった。血清反応陰性RA患者と比較して、血清反応陽性RA患者における肺癌リスクの増加は有意ではなかった。層別解析では、肺癌リスクの増加は、現在または過去に重喫煙であったRA患者(交互作用p=0.046)および男性患者(交互作用p<0.001)で顕著であった。RA患者は非RA群と比較して肺癌のリスクが高かったが血清状態による差はなかった。禁煙の意識を高め、適切なリスク層別化とともに定期的な肺癌検診を行う必要性がある。

感想
韓国のデータですが、日常臨床に役立つ解析です。かなり厳密にRAを定義し、膨大な症例を対象としています。まず全体としてRA患者の肺癌リスクは1.5倍です。そこに喫煙が加わると非RAの喫煙者の1.8倍になります。つまり非喫煙者の非RAと比べて、RA+喫煙で肺癌リスクが格段に上昇するということになります。血清反応が陽性かどうか問わない点も興味深いところです。リウマチと肺癌については、IL-6がJAK,STAT3を介してシグナル伝達を促進し発癌と関与する説があります。また特にRAが間質性肺炎として肺に来る点も肺癌との関連を想定させます。論文の重要性はエディトリアルでも取り上げられています。残念ながら免疫チェックポイント阻害薬使用に関するデータはありませんが、リウマチと肺癌のテーマでは今後引用される論文となりそうです。